法人と個人ではどちらが有利か?
法人化のメリット
以下、法人化の代表的なメリットと対応する個人の比較表です。
多くの部分で個人を上回ることを示していますが、すべてを享受できるというよりはむしろ以下のなかから何点かに集中してその目的を達成することが実際の運営イメージに近いといえます。
法人 | 個人投資家 |
---|---|
経費枠が広い | 経費枠は限定的 |
損失が10年間繰越せる | 3年間繰越せる |
損益が通算できる | 損益は通算できない |
受取配当金の20%が益金不算入 | 15%または5%の配当控除あり |
節税策が多様 | 節税策は法人ほどではない |
決算期を変更できる | 決算期は変更できない |
社会的地位を得る | 社会的評価は高くない |
相続税対策が多様 | 相続税対策は可能 |
受取配当金の取扱い
税金の還付
法人化の注意点

法人税の実効税率は所得400万年以下のケースでも約22%以上になり、さらに、年7万円以上の住民税が固定的に発生します。
つまり、何も考えずに利益を会社に置きっぱなしにしていたり、高所得者(高税率適用者)であれば、個人で約20%の申告分離課税を受けていた方が良い、ということになりかねません。
ただし、法人の場合、給与や経費の出し方によって利益自体を大きく減少させることができますから、しっかりと考えれば、比較的簡単に実質税率を20%以下(場合によっては10%やそれ以下)にすることができます。
また、この納税コストとは別に、設立後の会計処理、決算・申告といった法人としての手続は、通常は会計事務所に委託するため、追加コストは30万円程かかります。
法人の申告は素人には難しく、効果的な節税を念頭に置くのであれば、会計事務所等に任せる前提で投資に集中し、年間30万円+住民税の7万円の合計40万円程はみておく必要があるでしょう。